三浦半島の草花   Botanical Scene & Flower of Miura-Peninsure
メロン/網メロンC/マスクメロン

melon / nettedmelon
学名: melo L.var.reticulatus Naud
ウリ科 一年草
開花期:5〜7月
近年その栽培・消費の増加が著しい野菜。日本ではCucumis melo L.に属する3変種の欧米系メロン、
及びそれら相互あるいはマクワウリとの交雑品種をさす。3変種とは@網メロン
C. melo L.var.reticulatus Naud.(英名nettedmelon)、
AカンタループC.melo L.var.cantalupensis Naud.(英名cantalupe)、B冬メロン
C.melo L.var inodorus Naud.(英名winter melon)
である。また、マスクメロンmuskmelonは芳香(麝香)の強い網メロンあるいはカンタルーペをさす。
北アフリカ、近東の原産で、熱帯から温帯に広く栽培される。
形状] 茎はつる性で粗毛がある。浅く5裂した葉を互生するが、その形状、大きさは品種や変種
により差異がある。花は同株上に雌花と雄花をつけるのがふつうであるが、雄花と両性花をつける
ものもある。果形は球形から長球形、網メロンでは果面にコルク化した網状のネットを作る。
カンタループでは果実に縦溝があり、冬メロンの果面は平滑なものが多い。果肉は
白、緑、赤色に分けられる。
来歴] メロンは古代エジプト、ギリシャ・ローマ時代にすでに栽培されていたが、あまり発達しなかった。
ルネサンス以降、近東諸国
やエジプトから導入された網メロンとカンタループは、南欧で品種が発達し、各国に伝播した。イギリスへ
は16世紀に南欧から導入されたが、冷涼多雨のため露地栽培ができず、網メロンの品種改良によって、
温室内の特殊環境条件に適したイギリス系メロンが育成された。これによって露地メロンに対する
温室メロンの栽培法が確立し、北欧にもその栽培が広まった。冬メロンは主として南欧に土着し、
栽培が行われた。アメリカへは、16世紀初めにヨーロッパから各種のものが導入されたが、
その栽培が産業的に確立し、大きな発展をみたのは19世紀末からである。これには導入育種から育成
された網メロンのロッキーフォードや、冬メロンのハネデューが大きく貢献している。とくにカリフォルニア州
は低温で適温が長いことが露地栽培に適し、一大産地になっている。日本へは明治初年アメリカから露地
メロンが導入されたが、多湿な気候に適応できず、わずかに夏乾燥する東北、北海道で栽培されたにすぎ
ない。第2次大戦後は、マクワウリとカンタループや網メロンとの変種間の交雑育種が行われ、その結果
育成された品種は1960年代中頃から全国各地に広まり、メロン消費の高まりもあって、マクワウリに
代わって急速に露地における生産を伸ばしている。
品種] 露地メロンは明治以降多くの品種が導入されたが、第2次大戦前はハネデュー、スパイシー、
ロッキーフォードなどのアメリカからの導入品種がわずかに栽培されたにすぎなかった。
戦後はとカンタループや網メロンとの一代雑種である夕張キング、ライフなどが育成され、北海道、東北の
砂丘地帯で栽培されている。とくに1962年プリンスメロンの作出されたことが一大転機となって、現在まで
に数多くの一代雑種(F1)品種が発表されている。プリンスメロンは南欧系露地メロンとマクワウリの
一代雑種で、作りやすく着果が安定している。果実は甘みが強く、メロン的肉質で香りもある。
全国的に広く栽培され、現在露地メロンの代表的な品種となっている。
このほか、主要な品種としてはアムス、アンデス、キンショウなどがある。
主産地は茨城県、熊本県、愛知県、北海道である。
(参考: 世界大百科事典(平凡社))

 


2015/07/20 16:00
NEC N-01E
横浜市金沢区富岡西6
住宅街の民家の庭
 
 

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